ドタキャンをする外国人
最近、ネット記事で似たようなものを続けて2本読んだ。
1本は、韓国人が日本や中国でドタキャンを繰り返し、キャンセルの連絡もよこさない。ひどい話だ、というもの。
もう1本は、日本に旅行に来る中国人旅行客はお店やはとバスに予約をいれておいて、平気ですっぽかしたりドタキャンをするというもの。
彼らがすっぽかす理由
彼らが、飲食店などの予約をすっぽかすのは、お寿司、フレンチ、中華などいくつも予約しておいて、その日の気分で行きたい店を決めてそれ以外の予約は無視するという理由をあげている。
なんでも、その時その時の時間を最高に過ごすために、約束があろうが予約があろうが、その場その場で自分がやりたいことを選択しがちとのことだ。
また、中国人などは自国の100席もあるような大きなレストランを基準に考えており、100人中数人が来なくても別に大丈夫だろうという思い込みもあるのではないかと書いている。
でも実際に予約を受ける首都圏の店などはもっと少ない席数で営業しており、極力ドタキャンやすっぽかしが無い日本人相手で運営しているから成り立っているのが現状である。
自国のつもりですっぽかされては、1週間に1グループのすっぽかし程度でも経営的に厳しくなるお店も正直多いだろう。
銀座の寿司屋の対応
ホテルやクレジット会社以外の予約は受けない
そして、記事の中で話題になっていたのが、あまりにも中国人客のキャンセルが多いものだから、銀座のミシュラン二つ星のお寿司屋は、ホテルやクレジット会社を通した予約しか受けないことにしたことを話題にしていた。
当初、中国人客だけ受けないのかと思って記事を読んだが、どうやら、そうではなく電話での直接の予約を受け付けるのは日本人だけらしい。
それはどうだろうなと思う。もし、中国人だけこういう扱いにしたら、人種差別だのと正直いろいろうるさいと思う。
前段でも書いたが、お店側としてみたら無断キャンセルはお店の死活問題でもある。
特に席数を絞って、お客に最上の料理を提供するようなお店では、値段も高いが料理の原価も当然高いわけで、キャンセルされるとお店のダメージもすごいことになってしまうのである。
この措置に当の中国人はもちろんのこと、コメント欄のアメリカ人も「日本は差別的な国だからな」といったコメントを残している。
これは解説させてもらうと、差別ではなく、日本人並みの律儀なキャンセル率だからこそお店の経営が成り立っているのに、そこに不確定要素の外国人比率が上昇した事による弊害が発生したとみるべきである。
それも特に一流の寿司屋である。
今夜のために仕入れたり、仕込んだりしたものを明日お客に出せるかは分からない。
いや、店の格を保つため出さないと判断することも多いだろう。
外国人が考えるキャンセル、すっぽかしは「機会損失(儲けられるときに儲けられなかった)」だけであろうが、日本の高級店では「食材の原価(使い回しの出来ない食材費用)」も含まれるのである。
客が来ないなら冷蔵庫の中に入れっぱなしでいいやの中華料理や西洋料理とは違うのである。
こういう事情は、中国人、韓国人ばかりか西欧を含む世界中の大多数に分かってもらえないような気がする。
日本では新鮮な食材を新鮮な状態で、当日に客に提供したいのである。
そのためキャンセル率の低い日本人から支払われるお金から、店側の利益を取り、残った最大限の費用を食材の原価として客をもてなしたいという日本人の心意気である。
それをキャンセル率の高い異邦人が、同じ値段で食事をさせてもらうわけなので、予約方法に区別ができても当たり前とも言える。
前金予約にしろとは言うが…
ではそれらの記事を目にした日本人の感想はどうかというと、店側に同情し賛成する声も大きいものの、「前金制度にして予約を受けるのがよい」という声が一番のようだった。
それはそうだろうが、予約の前提として「前金制」にしたらお店の業務内容が変わってしまうほどの大改革であり現実的とは言えない。
毎日、午後3時過ぎに銀行口座をネットで確認して、3日後のお客様分の入金がされているか確認して、入金されていなければ電話をする。電話もつながらないし連絡も無いのでキャンセル扱いにし別の予約を入れたら、翌日振り込みがあり「お金は払ったんだから席を用意しろ」という中国人とガーガーと電話でやり合う。もう、粋な寿司屋ではありえない情景が繰り広げられてしまうわけである。
簡便な保証機関が必要かな
根本的な解決方法としては、予約代行サービスがメジャーなサービスとして成立するしかないのかもしれない。
数パーセントの手数料をとって、予約金を客から預かり、店側には預かり金を伝えておく。
キャンセルの場合は、店側にキャンセル料を支払い、残りを客に払い戻す。
こんなサービスが大手資本をバックに、安い手数料で実現できるのであれば結構需要が増えるかもしれない。