会社を解雇された、裁判か?泣き寝入りか?







プライベートで裁判の原告もしくは被告になる機会というのは、特に日本においてはそれほど多くないかもしれない。

それでも「不条理に会社を解雇された」とか「給与が満額支払われない」など生活の基盤にかかわる部分でのトラブルは起こってしまったらかなり深刻である。

そんな時に、どのように対応するのか。

泣き寝入りか、有力な仲介者を立てるのか、裁判をするのか。

裁判をするにしても、弁護士を雇うか、本人訴訟とするのか。

行動の基準は金額である

あなたが「会社を不当に解雇」されたとします。

少なくともあなたは「不法」だと思っていますが、会社側は一切の交渉を受け付けません。

労働基準監督署などにも相談に行きましたが、会社は労働基準監督署を完全無視、という状況で考えてみましょう。

あなたが請求する金額が行動の基準となる

まず決めなくてはならないのが、次の二つでしょう。

  • 会社にいくら請求したいか
  • 地位確認の請求はするのか(社員として会社に戻る主張もするか)

一般的に労働裁判で、労働者側が勝訴したとして70万~180万円ぐらいで落ち着くことが多いそうなので、決着時の見込み金額がこの範囲だと考えて、筆者の独断で3段階に分けてみます。

  1. 泣き寝入りでもしょうがないのでは(30万円以下)
  2. 本人訴訟(労働審判)ならやってもいいのでは(31万~100万円)
  3. 弁護士にお願いしてきちんと裁判(101万円以上もしくは地位確認の請求を含む裁判)

1番については、気持ち的には納得がいきませんが、実際には泣き寝入り(何もしない)という選択肢を選ぶ人も多いのではないでしょうか。

30万円以下の訴訟の場合、本人訴訟の形にすれば裁判そのものは可能かもしれませんが、弁護士に依頼しての訴訟では赤字は目に見えていますので、現実的ではないでしょう。

本院訴訟にしても、訴訟用書類作成の負担は大きいですし、実際に提訴したら裁判後半年から1年ぐらいは月1で裁判所に通わなくてはなりません。

新しい勤務先でこれからがんばろうと思っても、月1で会社を休ませてください、というわがままはちょっと言い出しにくいですよね?

2番、3番については、弁護士の有無がポイントですが、最終的な基準は勝訴したとして、いくら手元に残るのかということ。

逆に弁護士に頼めば、一般的に手付金20~30万円+成功報酬が支払われることになるため、全体として勝訴金額から40~50万円はマイナスして考える必要があります。

もちろん裁判は敗訴もあり得るので、その場合でも弁護士費用として30~40万円はマイナスとなると覚悟しておいたほうがいいでしょう。

また、全てを弁護士に任せれば自動的に裁判が進むというものでもなく、こういうことがありました、こういうもの証拠になりませんか、と事件の当事者であるあなたが弁護士に提示していかなければ裁判は有利に進みませんので、これはこれで負担は軽いとは言えない状態です。

少なくとも、金額の大小とは違い、これから先の身分に影響を与える「地位確認の請求」をする場合には弁護士をきちんと立てたほうがいいです。

例えばあなたが40歳だとして60歳定年の会社の「社員の地位を確認」して勝訴した場合、平均年収500万円だとしても20年分で1億円もの金額が違ってきてしまいます。

この辺は慎重なほうがいいように思います。

一つ重要なことは、地位確認の訴訟中は、お金に困っても決して退職金を会社に請求してはいけません。

裁判長に退職の意志ありとみなされる可能性があります。

お金に困ったとき、困りそうなときは仮処分を申請するか、失業保険の仮給付を受けてください。

これは「原告の主張通り、判決で社員の地位が確認された場合、それまで受け取った失業保険金は国に返します、という前提で失業保険を受け取る制度」ですので、有効に活用しましょう。