米津玄師『orion』レビュー
このシングル
『orion』は、2017年2月15日発売された米津玄師の作品です。
この曲はアニメ『3月のライオン』のエンディングテーマ曲であり、6月23日放送分から同アニメのエンディングが『orion』になりました。
ボクがこの曲を知ったのは発売から1ヶ月後ぐらいなのですが、それまで米津玄師のことも、3月のライオンのことも知りませんでした。
いい曲だなあ、と聞いているうちに3月のライオンについても興味を持ち、マンガで一気に発売巻まで読みました。
面白かった!
そうだ、アニメを観ればorionが聞けると思い、同番組を毎週録画するようになったのですが、エンディングは違う曲でした。
そうか、もう違う曲に変っちゃったんだと諦めていたら、6月23日録画分のエンディングに『orion』が流れているじゃないですか。
嬉しくて、嬉しくて、発売から少し時間が経っていますが、レビュー記事書いています。
待ち遠しくて待って待つ楽しみもいいけど、不意にキター!的な驚きもいいもんです。
でも、最近はこんな時期をずらした発売のされ方もするんですね、
ためしに、四半世紀以上、年の離れた娘に「米津玄師って知ってる?」って聞いたら、目を輝かせて「知ってる。いい歌うたうよね!」って言ってました。
全く別ルートで米津玄師を知って、共通の話題にできるなんて、それも米津玄師の実力だと思います。
曲 目
1.orion
3月のライオンを前提に聞けば、同アニメの主人公の心境を歌ったようにも聞こえます。
でも出だしの発想はそこからでも、完全に米津の歌になっています。
メロディーはすごく歌唱力が問われそうなシンプルで難しいライン上に、めちゃくちゃ説得力のある歌詞を乗せています。
(歌詞より)
解れた袖の糸を引っぱって
ふっと星座を作ってみたんだ
お互いの指を星として
それは酷くでたらめで 僕ら笑いあえたんだ
そこにあなたがいてくれたなら それでいいんだ
タイトルのorionは、ここから来ているようです。
2.ララバイさよなら
1曲目とは違って、ダークな歌詞をガナルように歌っています。
自暴自棄、人間不信、きれい事の否定などが感じられるが、一番分からないのが「曲中主人公」の人物像。
「たかが生きるか死ぬかだろ」と言っている点で、死への逃げ道も閉ざしているように感じる。
それ故に、米津自身が自分の心を代弁して歌にしているとしたらちょっと怖いとも思う。
逃げ道をふさいで、突き詰めて突き詰めてじゃないと、曲を作れないなら…なんて無いことを祈る。
3.翡翠の狼
ネットで後日知ったんだけど、ラジオ放送で一般の女子高生が「翡翠の狼で泣きました!」と米津玄師の目の前で言ったらしい。
残念だけど、ボクにはこの曲で「泣く」という感性はなくて、人それぞれだなあ、と改めて思いました。
ちなみに、涙腺は弱い方です、というよりだんだん弱くなってきていますw
ちょっと沖縄っぽいリズムに乗せて、聞く人によっていろんな解釈が出来る曲ですw