米津玄師『ピースサイン』レビュー
このシングル
『ピースサイン』は、2017年6月21日発売された米津玄師 7枚目の作品です。
ボクが米津玄師をはじめて聴いたのは、前シングル『orion』だけど、なんだか繰り返し聴きたくなっちゃうんですよね。
何が引っかかるのか、気になるのか特定できないけど、他の曲曲の間についつい再生してしまう、っていう。
そういう気になる曲って、大体、歌詞に心のどこかに触れていて、何十回も聞き返した後に、あ~この歌詞はそうだよね、共感できるよね、ってことが多いみたいに思う。
そしてこの『ピースサイン』は歌詞を見ないまま何度か聴いてみて、もっと強く明確に惹かれてしまう。
まず、圧倒的にアレンジがいい。
4曲目に入っているのが同曲のInstrumental(カラオケ)であるが、これだけ聴いていても飽きることがない。
非常に気持ちのいい疾走感に溢れるビートのアッパーチューン(表現は音楽サイトからぱくりました)である。
下にもリンクを貼ったが、発売日当日ですでにYOUTUBEの再生回数は500万回を超えており、現在もどんどん延びている。
2時間後にチェックしたら10万再生増えていた。
人気アニメの主題歌と言うこともあるが、何と言っても圧倒的に曲がいいのが要因であろう。
大注目の1枚である。
ところで、この曲のCD収録は3分57秒であるが、YOUTUBEでは(当然)動画付きで4分24秒の構成になっている。
正直、今ってそうなの?と思ってしまう。
「動画はショートバージョンで、興味を煽るだけにしてCDの売上げに影響しないように」なんて、考えているボクはやはり古い人間のようだ。
CD初回プレス版には2017ライブツアー最速先行予約の特典付である。
オークション、フリマサイトでチェックしたら、その「予約券」だけが、CDと同じ値段で多数出品されていた。
一体、CDの価格って何の値段なんだろう?
曲 目
1.ピースサイン
アニメ『僕のヒーローアカデミア』のオープニング曲である。
同タイトルのマンガは米津自身、大好きだという。
前シングル「orion」はアニメ『3月のライオン』の主題歌であったが、引き続きアニメからのオファーである。
米津自身は、アニメ「デジモンアドベンチャー」世代であり、主題歌「Butter-Fly(和田光司)」がパワーをくれた、それに負けない曲を作らなくちゃいけない、との思いを語っている。
不思議な物で、アニメの動画でこの曲を聴くと、納得のアニメソングであるし、米津自身のPVをみるとアニメの雰囲気すら感じられない。
どちらにしろアニメソングのオファーは、米津のアーティストとしてのポジションが認められているということと、アニメ現場という別のクリエーター集団からクリエーターとしても認められていることを意味すると思う。
2.Neighbourhood
この曲は、生活に根差した自分と話しながら作ったという。
当時のつらかった出来事、くすぶっていた感情を抽出して、今の自分と対比させながら形にしていったと。
米津玄師のインタビュー記事などをいくつか読むと、自分の歴史の負の部分から世の中をみている感じを受ける。
その分、曲を書くにあたって自分と向き合う姿勢は真摯であり、そこからできあがる曲はフィルターを通したように「真っ直ぐ」である。
この曲もそういった1曲です。
3.ゆめくいしょうじょ
ハチ名義でボーカロイド用にプロデュースした「沙上の夢喰い少女」のセルフカバーである。
オリジナルからテンポを落とし、自身の曲として昇華している。
ボーカロイド曲もチェックしてみたが、両方とも何度も聞きかえすほどのファンか、同じ曲だと知識として知っていないと、印象としては同じ曲を歌っているとはボクには思えないほど、収録曲は米津自身の歌となっている。
4.ピースサイン(Instrumental)
タイトル曲の(Instrumental)カラオケです。
アレンジ大好きです。