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花澤香菜『Opportunity』レビュー
このアルバム
『Opportunity』は、2017年2月22日発売 花澤香菜4枚目のオリジナルアルバムです。
秦基博が書き下ろしたシングル「ざらざら」をはじめ、「透明な女の子」「あたらしいうた」などのシングルを収録。
彼女の声は“ヘッドフォン推奨”のコンセプトということだが、確かにいい歳の男性がスピーカーから聴くには家族の前でもはばかられる声質をしている。
正直、前作までのアルバムは今作より幼い声?で歌っていたこともあり、ボクはちょっと敬遠気味であった。
ただ今回のアルバムでは、その声質の基本は変わらないものの、聞きやすい曲も収録されており、ボク自身慣れたのか興味を持った次第である。
今回のアルバムはレコード会社も力を入れているようでテレビでCMを流しているのを見かけた。
花澤香菜というのが「君の名は。」「言の葉の庭」の声優さんということで名前を知っていたが、こんなに世間に認知されているんだなと再確認した。
またページ末に埋め込んだが、プロモーション用の動画もアップされており、60分のアルバムに対し24分程度の歌を入れ込んでいる。
ソフトウエアの世界で言えば、もうシェアウエアの販売方法である。
曲の大半は無料で聴けるけど、気に入ったらCDを買ってね、ということで、かなり良心的である。
どちらにしろこの独特な声質にはまってしまったら、抜け出せなくなりそうな気がするね。
曲 目
- スウィンギング・ガール
- あたらしいうた
- FRIENDS FOREVER
- 星結ぶとき
- 滞空時間
- カレイドスコープ
- 透明な女の子
- Marmalade Jam
- Opportunity
- ざらざら
- 雲に歌えば
- FLOWER MARKET
- brilliant
- Seasons always change
- Blue Water
1.スウィンギング・ガール
1曲目にふさわしい曲です。
花澤香菜も制作期間にこの曲が最初じゃないかなと感じていたようです。
キラキラのドキュメント
巻き起こせ あの時代のように
旗なびかせ 革命前夜
2.あたらしいうた
このアルバムのシングル曲はみんないいですね。
ドラムとベースラインが定番だけど気持ちいいです。
花澤香菜は、おそらくこういったオーソドックなバンド演奏とロックアレンジのほうが声が生きるんじゃないかな。
シンセを多用した幻想的なアレンジに、あまいボーカルだとどうしても客層が限られてしまいそうな…。
「あたらしいうた」は息をすったらもう ここにある
はじまってるよ もう
この歌、好きです。
3.FRIENDS FOREVER
作曲:Mick Huckenall
ブルーな日には声をかけてね いつでも行くから
友だちだからね、という歌。
4.星結ぶとき
出だしの2行の歌い出しが最高です。
(歌詞より抜粋)
何千回、目覚めてやり直したのにさ
大事なものから見失うもんだね
これもベースラインが大好きです。
もっとこういうの聴きたいな。
5.滞空時間
SOS流すから わたしのサテライトを見つけて収納してね
ラジオの周波数でSOS飛ばすから もう一回だけ
かわいい歌ですね。
6.カレイドスコープ
万華鏡のことである。
光の粉がほら あなたへと 舞い降りるように、と。
7.透明な女の子
大変に申し訳ないのだが、この曲に代表される女の子ソングを届けたい対象は男性のアニメファンなのだろうか?
女性は聴かないよね、この曲。
実年齢の気持ちに近い歌詞で歌ってもらえると、もう少し感情移入しやすい、かな。
8.Marmalade Jam
(歌詞より抜粋)
黒い秘密 重ねた噓
退屈は嫌い Yeah!
というような歌詞ではあるが、花澤香菜が歌うと、すごくライトな秘密と噓のように聞こえるね。
「マーマレードジャム いつもより苦くて」って、そんな時にジャムをなめてるのかよ!と突っ込みたくなる。
結局、ものすごく平和な歌なのである。
9.Opportunity
アルバムタイトル曲である。
ChanceとOpportunityという話を、確かWEBのインタビューで彼女が答えていたな。
Chanceは偶然性あり、Opportunityは偶然性なし
君の前にあるOpportunityは君の実力だよ、掴まなきゃ逃げていくよ。
10.ざらざら
作曲:秦基博 作詞:花澤香菜である。
この二人といえば、アニメ映画「言の葉の庭」の主演声優と主題歌シンガーである。
おそらく現場では全く顔を合わせることも無かったと思うが。
この曲に関しては、この組み合わせはスゴく成功していると思う。
秦のちょっと切ないメロディーに載せる花澤の歌詞と声は、きっちりと仕立てた服みたいに良く合っている。
また花澤の歌詞もいい。
「ずしんと空いた穴ぼこに」はちょっとプロ作詞家では書けない詞だと思う。
このちょっと引っかかりがあり花澤香菜らしいワードがこの曲を、唯一のものにしている。
できたら、タイトルの「ざらざら」をこの「穴ぼこ」に絡めて一くだりあると、もっとボクの心に引っかかったような気がします。
11.雲に歌えば
曇り空に歌って 雨が降ったら雨の中で歌えばいい
曇り空に歌えば 白い雲の上はいつでも晴れてる
楽しそうな毎日でしょ ねえ。
12.FLOWER MARKET
「Palala Papalala」の繰り返しがすごくいいですね。
基本、相手に似合う花の名前をならべるだけの歌詞ですが、それはそれでOKです。
甘ったるい歌詞よりも、これぐらいさっぱりしていた方が、ボク好みですね。
13.brilliant
ボクはプロの作家さんが書く詞よりも、花澤香菜自身の作詞が好きみたいだ。
この曲もそうだが、あまい曲でもギリギリ踏みとどまってくれる。
その辺のバランス感覚は、やはり本人が一番だと思う。
本業が声優さんだから、作品を与えられたら、そのようにこなしてしまうんだろうけど、正直、限度を超えてるんじゃ無い?っていう歌も何曲かある。
当然、ボクにとってだけだろうけど。
文春で熱愛も発覚したし、次にアルバムを出すときには30歳手前だろうし、歌の世界ではそろそろchangeのchanceかもしれない。
14.Seasons always change
これはいいですね。
フォーマットの中に歌詞をびしっと落とし込んだダンスミュージックのようです。
ちっとも嫌みじゃありません。
15.Blue Water
ボーカルにイコライザーとピッチシフトが効きすぎて、ボーカロイドのように聞こえます。
それ故に、曲の幻想的なイメージに合って、なんとも不思議な感覚を与えてくれます。
なんか、声から感情が無くなって、死に近づいて、そのまま天に召されてしまうような,,,
ダイキンのマスコット、うるるとさららに声があったらこんな声じゃないかな、といった感じ。
彼らなら、歌詞の通り青い海になれそうだし。
オフィシャルの全曲試聴(61分中24分視聴できます)
花澤香菜自身の自己アルバムレビュー
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